労働時間の端数処理はできない?


勤怠システムを導入することになりました。
労働時間の端数処理ができる設定があります。
15分や30分で時間を繰り上げる、切り捨てるという設定ができるようです。
この設定でも労働基準法上、問題ないのでしょうか。


労働時間はたとえ1分であっても繰り上げや切り捨てることはできません。
日々の労働時間はもちろんですが、1か月を集計した労働時間も同様です。

ただし、厚生労働省は事務処理を簡素化することが目的であれば、以下の例外を認めています。

通達(基発第150号)
1か月における時間外労働、休日労働および深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること。

これは、1ヵ月の合計の端数処理であって、1日の合計の端数処理ではないということです。
たとえば、残業時間が35時間29分は35時間の残業。
残業時間が35時間30分は36時間の残業。

このルールを適用する場合は、就業規則に規定する必要があります。
注意点は、切り捨ては適用するが、切り上げは適用しないということはできません。