昇給額がマイナスでも問題ない?


当社の就業規則の昇給に関する規定は「昇給させることがある」とのみ記載しています。
しかし、評価結果でマイナス昇給もあり得ます。
「昇給させることがある」と明記していれば、昇給額がマイナスでも問題ないのでしょうか。


マイナス昇給は一般的に「降給」と言います。
降給を行うことは禁じられているわけではありません。

裁判例においても以下のように示されています。
「降給が決定される過程に合理性があること、その過程が従業員に告知されてその言い分を聞く等の公正な手続が存することが必要であり、降給の仕組み自体に合理性と公平性が認められ、その仕紺みに沿った降給の措置が採られた場合には、個々の従業員の評価の過程に、特に不合理ないし不公正な事情が認められないい限り、」

この裁判例を3つのポイントに分けると以下となります。
  1. 就業規則等による降給の規定
  2. 降給が決定される過程の合理牲
  3. 過程の従業員への告知
そして、公正な手続きにより運用しなければなりません。

まず、就業規則に降給の条件を規定し、従業員に周知します。
そして、恣意的ではなく公平に評価した結果により運用しなければなります。