賞与は必ず支給しなければならないのでしょうか?


賞与は必ず支給しなければならないのでしょうか?


賞与とは、毎月定期的に支給される給与とは別に臨時で支給される賃金です。
法令上、賞与は通常の賃金と異なり、支給を義務付けられていません。
つまり、法律上は賞与を支給する義務はありません。
 

賞与支給が義務となるケース

ただし、以下の場合は賞与支給が義務となります:
  • 就業規則等に賞与を支給する旨の定めがある場合
  • 労働協約で賞与支給が定められている場合
  • 個別の労働契約で賞与支給が定められている場合
これらの定めがあると、賞与を支給することが契約上の義務となるため、支払わなければなりません。
 

就業規則の記載方法と注意点

多くの企業では、就業規則に以下のような記載をして柔軟性を持たせています。
  • 「賞与を支給することがある」
  • 「原則として賞与を支給するが、会社の業績によっては支給しない場合がある」
ただし、具体的な支給額や算定方法を就業規則等で定めた場合は、その定めに従った額を支給しなければなりません。
記載がない場合でも、過去の支給実績から労使慣行が認められるケースがあります。
 

実務上のポイント

  1. 原則支給するが、一定の場合には支給しないことがある旨を明記する。
  2. 支給額については具体的な算定方法の定めを置かない
  3. 支給しない場合の条件を具体的に定める(例:業績不振、懲戒処分、出勤率低下など)
このように、賞与は法律上の義務ではありませんが、一度規定や慣行として確立すると契約上の義務となるため、規定の設け方には注意が必要です。