退職予定社員の賞与は?


年次有給休暇を消化中の退職予定社員にも賞与を支給する必要はありますか。
また、支給する場合、金額を減額しても良いですか。


ご相談の内容は、賞与支給の義務の有無と減額の可否という2つのポイントに分かれます。
それぞれ説明いたします。
 

1. 賞与支給の義務について

基本的な考え方

賞与は法令上の支給義務がない臨時の賃金です。
ただし、就業規則や労働契約に定めがある場合は、その定めに従って支給しなければなりません。
退職予定社員への賞与支給義務の有無は、以下の点で判断します。
 
支給義務が発生するケース
・就業規則に「賞与支給日に在籍している従業員に支給する」と定めている場合。
・過去の支給実績により、「毎年同時期に支給することが当然」という労使慣行が成立している場合。
 
支給義務が発生しないケース
・就業規則に「賞与支給日に在籍していることを支給要件とする」と明記し、退職予定社員が支給日に在籍していない場合。
 

2. 年次有給休暇取得を理由とした減額について

年次有給休暇の取得を理由に、賞与を減額することはできません。 
労働基準法附則第136条では、使用者は年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないと規定しています。
年次有給休暇取得日を欠勤として扱い、賞与額を減額することは、この規定に違反します。
 

3. 減額が認められるケース

年次有給休暇の取得以外の理由であれば、減額が認められる場合があります。
  • 出勤率が低い(有給休暇以外の欠勤)
  • 業績や人事考課が悪い
  • 懲戒処分