回復していない社員の復職はどう対処すれば?
回復していない社員の復職はどう対処すれば?
2018/11/26
ジャンル 労務
事件の概要、ご相談内容
休職中の社員が復職を希望しています。しかし、現状では回復しているようには思えません。休職前の職務には復帰できないと思います。就業規則には休職期間を6か月と規定していますが、すでに1年3か月が経過しています。どのように対応すれば良いのでしょうか。
経営者の主張
規定に6か月を大幅に超えていることで、他の従業員からえこひいきを思われています。また、業務の負担もかかっています。そのことを本人に伝えると、「リハビリ勤務で復帰させてほしい」と言っています。
従業員の主張
「規定が6か月とは知らなかった。復職するために努力してきた」と、いまさら言われてと困惑しているとのことです。主治医からはフルタイムで週3日ほどの勤務なら可能と診断されているとのことです。
解決へのプロセス
ご本人だけの主張ではなく、会社が指定する医師には診断するように指示したいところです。しかし、今回のケースは、復職に関する詳細なルールの定めが就業規則には規定されていません。また、中小企業でのリハビリ勤務は負担も大きいです。そこで、ご本人了承のうえ主治医、お母様、社長、専務、社労士の私と面談を実施しました。そこで、主治医には業務内容を詳細に説明し、現状の身体に耐えうるかの判断をして頂きました。ご本人にとってもっとも最善な結論は、退職して回復に専念することになりました。
解決のポイント
主治医も交えて面談できたことがポイントです。業務内容を詳細に伝えることで、主治医も最善な判断ができました。また、リハビリ勤務は労働基準法に定められたルールではありません。会社の任意です。貴重な戦力を失うこと考えると、できるだけ柔軟に対応するのが良いと思います。しかし、会社の現状も考慮し、可能な範囲で対応することを検討しなければなりません。
依頼者の声
会社の要望に熟慮し、従業員にも配慮した対応でした。休職している社員の状況をしっかり聞いて、復職できるようなプログラムの提案をしていただき、遠方にある休職社員の通院する病院までついて来ていただきました。
また、今回の機に、中小企業でも可能な休職規定に変更して頂きました。
振り返り
多くの中小企業様では就業規則に定める内容について詳しく理解されていません。今回もひな形の就業規則を少し変更されていましたが、休職規定などは詳しく理解されていなかったようです。実態に合う就業規則にすることが最も重要です。
事業者規模情報
印刷業、従業員数70名。