新型コロナウイルスに社員が感染

新型コロナウイルスの拡大防止のための企業の対応についてです。
個人情報保護法相談ダイヤルに多くよせられている質問に関する回答が、個人情報保護委員会から公表されました。

どの企業にも起こり得る事例が取り上げられていますので確認しておきましょう。
 

個人情報保護法相談ダイヤルに多くよせられている質問に関する回答

問1.社員に新型コロナウイルス感染者と濃厚接触者が出た。
社内公表する場合の注意点は何か。

(答) ご指摘のケースについて、同一事業者内での個人データの提供は「第三者提供」に該当しません。
社内で個人データを共有する場合には、本人の同意は必要ありません。
また、仮にそれが当初特定した利用目的の範囲を超えていた場合です。
当該事業者内での2次感染防止や事業活動の継続のために必要がある場合には、本人の同意を得る必要はありません。
 
問2.社員が新型コロナウイルスに感染しました。
当該社員が接触したと考えられる取引先にその旨情報提供することを考えている。
社員本人の同意を取ることが困難なのだが、提供することはできるか。

(答) 当該社員の個人データを取引先に提供する場合です。
仮にそれが当初特定した利用目的の範囲を超えていたとしても、取引先での2次感染防止や事業活動の継続のため、また公衆衛生の向上のため必要がある場合には、本人の同意は必要ありません。

企業がデータベース化するなどして保有している社員の個人情報(個人データ)について、本人の同意なき目的外利用や第三者提供は、原則として禁止されています。
しかし、上記のQ&Aの事例は、接触者やその周りにいる方の人命にかかわる問題ですから、例外が認められるといったところです。

社員のプライベートに配慮しつつ、感染拡大防止のために必要な情報は、提供・公表すべきということになります。
なお、そのような際に、感染者等に対するいじめや嫌がらせが行われることのないように留意すべきです。
社員に周知・啓発するなどの対応も必要となります。