身元保証書を提出しない新入社員の対応

当社は就業規則にて身元保証書を提出するように規定しています。
今回、新入社員のひとりが身元保証人がいないので、提出できないと言っています。
どのように対応すれば良いのでしょうか。

入社した従業員が身元保証書の提出を拒否した場合、原則として採用の取り消しが可能です。
ただし、就業規則に入社に必要な書類を提出しない場合は採用を取り消す旨を規定していることが前提です。
就業規則で定める身元保証人がいない場合は、範囲を広げるなどの対応ではないでしょうか。
一般的には、身元保証人は契約行為ができる成年者であり、保証能力(経済的信用力)があれば問題ありません。
それでも、従業員に特別な事情があり、どうしても身元保証書を提出できない場合には、企業の判断により未提出のまま入社を認めることも可能です。
身元保証人は、採用された従業員が企業に損害を与えた場合に、その損害を賠償する責任を負う立場です。
ただし、損害が発生した場合でも、必ずしもすべての損害を身元保証人が負担するわけではありません。
損害発生の経緯や企業側の過失の有無などを裁判所が総合的に判断し、身元保証人が負担すべき賠償額が決定されます。
また、身元保証契約においては、賠償額の上限を定める義務があります。
賠償上限額については、100万~200万円、または月給で3か月~半年分程度が適当とされています。
この金額を考慮したうえで、身元保証書の運用を検討してみても良いと思います。