従業員が全員で賃金交渉してきた・・
従業員が全員で賃金交渉してきた・・
2019/5/22
ジャンル 労務 / 評価
事件の概要、ご相談内容
ある日、従業員数名から賃金について次の質問をされました。
1.昇給のルールを教えてほしい。
2.有給休暇が取れないので、買い取っていほしい。
3.社員とパートの違いを教えてほしい。
4.1時間の休憩が取れない時は残業にしてほしい。
5.人によって賞与額がちがうみたいだが、理由を教えてほしい。
「これらに納得できる答えがないと、退職します。」と言われました。税理士に相談することを伝えると、「その税理士に合わせてほしい」とも言われましたが、顧問の税理士に相談すると、「専門ではない。社労士に相談してください。」と断られました。そして、顧問の社労士にも相談すると、手続きしかしないと断られました。
経営者の主張
10人未満の会社なので、就業規則は作っていません。ただ、採用時には雇用契約書を渡しています。細かなルールはありませんが、質問の1.5については理由があります。これらを細かく説明する必要はあるのでしょうか?
従業員の主張
小さな会社という理由は、労働者には関係ない。労働基準法は守ってほしい。
解決へのプロセス
1からの5の質問について、私(社労士)から説明しました。
1と5は、経営者が頭の中で考えている昇給と賞与のルールを説明しました。
昇給と賞与のルールは会社が決めれる事項なので、ルールの中身まで労働基準法は関係ないこを
理解して頂きました。
2は有給休暇は労働基準法で、2年の時効にならないと買い取りできないことを理解してもらい、
できるだけ取得できるようなシフトを提案しました。
3は社員とパートは業務内容が異なることをしっかりと説明し、
それにより給与も異なることを理解して頂きました。
4は休憩時間をずらして、1時間の休憩をとるように指示。
残業は実労働時間が8時間を超えないと発生しないことを理解して頂きました。
解決のポイント
冷静に説明することがポイントです。また、専門は税理士ではなく、社会保険労務士です。専門化に労働基準法も交えながら説明することがポイントです。多くの経営者の方は、頭の中で考えていることを従業員に細かに説明しません。しかし、最近の労働者はインターネットなどで、経営者以上に労働基準法に詳しくなる傾向です。
依頼者の声
専門知識がないままで、従業員に説明することが問題を発生してしまうと思いました。今回を機に、労務に関することは、従業員に説明する前に先生に相談するようにします。
振り返り
10人未満ですが、今回を機に就業規則作成することで、経営者と従業員が誤解のないようにしました。
事業者規模情報
歯科|従業員6名