骨太方針2020を閣議決定

令和2年7月中旬、骨太方針2020が閣議決定されました。
「骨太方針」は、政府がまとめる「経済財政運営と改革の基本方針」の通称です。
これが、年末の予算編成、税制改正、翌年以降の法改正につながりますので、非常に重要な方針といえます。
働き方改革に着目して、そのポイントを紹介します。
 

骨太方針2020/「新たな日常」の実現に向けた働き方改革の方向性

今回の骨太方針では、新型コロナウイルス感染症への対応が喫緊の課題であることもあり、『「新たな日常」の実現』が柱の一つとされています。
その中で、次のような方向性が示されています。
  • 次世代型行政サービスの強力な推進(行政手続の抜本的なオンライン化等)
  • 新しい働き方・暮らし方(働き方改革、少子化対策・女性活躍 等)
  • 変化を加速するための制度・慣行の見直し(書面・押印・対面主義脱却等)
このうち、働き方改革については、次のようにまとめられています(抜粋)。
  • 働き方改革関連法の着実な施行を労働関係法令の適正な運用を図りつつ取り組むとともに、感染症への対応として広まったテレワーク等がもたらした、新たな働き方やワーク・ライフ・バランスの取組の流れを後戻りさせることなく最大限活かし、従業員のやりがいを高めるためのフェーズⅡの働き方改革に向けて取組を加速させる。
  • 労働時間の管理方法のルール整備を通じた兼業・副業の促進など複線的な働き方や、育児や介護など一人一人の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を労働者が自由に選択できるような環境を整備する。あわせて、不本意非正規雇用の解消を図る。
  • テレワークの定着・加速を図るため、中小企業への導入に向けて、専門家による無料相談対応や全国的な導入支援体制の構築など各種支援策を推進する。さらに、事業場外みなし労働時間制度の適用要件に関する通知内容の明確化や関係ガイドラインの見直しなど、実態を踏まえた就業ルールの整備に取り組む。
  • ジョブ型正社員の更なる普及・促進に向け、雇用ルールの明確化や支援に取り組む。
  • 企業側においても、成果型の弾力的な労働時間管理や処遇ができるよう、実態を調査した上で、裁量労働制の在り方について検討を行う。
  • フリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、政府として一体的に、保護ルールの整備を行う。
 「フェーズⅡの働き方改革」として、どのような政策が打ち出されることになるのか、今後の動向に注目です。