厚生労働省は、平成29年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」を取りまとめ、公表しました。


同省は、これに合わせて、平成30年の職場における熱中症予防対策にも万全を期すよう呼びかけています。
概要をみておきましょう。


熱中症予防対策のポイント

 
<平成29年状況>

昨年(平成29年)の職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は544人と、
平成28年よりも82人増加し、うち死亡者は14人と、前年より2人増加しました。

熱中症による死傷者は、平成23年以降、毎年400~500人台で高止まりの状態にあります。

業種別に熱中症による死亡者をみると、建設業が最も多く、全体の約6割が建設業で
発生しているとのことです。 

<平成30年の熱中症予防対策> 

今年の夏の気温は、東日本以西で高く、北日本でも平年並か高くなることが見込まれ、
熱中症による労働災害が多く発生することが懸念されているようです。


厚生労働省では、職場における熱中症予防対策として、5月1日から9月30日まで、
「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しています。

 
キャンペーンでは、個々の労働者に水分・塩分の摂取を呼び掛けるだけでなく、
事業場として、予防管理者の選任など管理体制の確立を含めた対策の徹底を図るため、
労働災害防止団体などとの連携や関係業界団体などへの関連情報の周知、関連情報の提供
(特設サイトの開設)、協賛団体による支援などの取組が重点的に推進されています。


インターネットで、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」と検索すると、
同省の特設ページなどがご覧になれます。
 

<屋内業務でも要注意/事務所の室内温度について>
 

事務所の室温について、事務所衛生基準規則第5条第3項により、事務所に空気調和設備を
設けている場合は、室温が28度以下になるよう努めなければならないとされています。


自主的に節電を実施する場合でも、これを目安に温度設定をすることが無難でしょう。 
 

☆ 厳密に熱中症予防対策を講ずることをお考えの場合は、気軽にご相談ください。
通達などにおける重要事項を説明させていただきます。
 

なお、業種を問わず、少なくとも、次の熱中症予防の基本はおさえておきましょう。

●水分・塩分補給⇒こまめな水分・塩分の補給を心がけるように指導しましょう。
注.高齢者や障害者の方には特に注意が必要です!
 

●熱中症になりにくい室内環境⇒室温が上がりにくい環境を確保しましょう。
こまめな換気、遮光カーテン・すだれの活用、散水などが効果的
(通風が悪い場所での散水については、散水後の湿度の上昇に注意してください)。
注.決して無理な節電はせず、適度に扇風機やエアコンを使用するようにしましょう。


●体調に合わせた対策⇒通気性の良い衣服、吸湿・速乾の衣服を着用するように指導しましょう。
必要に応じて、保冷剤、氷、冷たいタオル等を使用し、体を冷却するように心がけることも指導しましょう。
 

●外出時の準備⇒帽子の着用、日傘や日陰の利用、こまめな休憩等、暑さを避ける工夫を
するように指導しましょう。